ダイナミックサーバーについて

Fastly のロードバランサーでは、Fastly のダイナミックサーバー機能を利用し、動的な管理が可能なオリジンサーバーのプールを作成し、受信したリクエストを分散、転送することができます。ダイナミックサーバーには次のような利点があります。

  • あらゆる種類のサーバーインスタンス、1か所以上のデータセンター、地域、クラウドプロバイダーなどにも対応し、さまざまなインフラストラクチャーのデプロイをサポート
  • ヘルスチェック使用の際の Web アプリケーションの高可用性
  • TLS 終端、HTTP/2、IPv6 との互換性
  • クッキーベースのアプローチを必要としないスティッキーなサーバー
  • オリジンサーバーのプールを選択するためのリクエストルーティングのルールや条件を任意の数だけ実装

動的なサーバーを設定するには、サービスにプールを接続し、VCL 設定とは別に保存されるバージョンレスのオリジンサーバーを追加します。Fastly API を使用し、プールとオリジンサーバーをプログラムで追加、削除、更新することができます。

重要

この情報は、限定提供版 (Limited Availability) のリリースの一部として提供されています。詳細については、製品と機能のライフサイクルの説明をご覧ください。

ダイナミックサーバーのしくみ

ディクショナリACL と同様に、ダイナミックサーバーにはプールとオリジンサーバーの2つの主要なコンポーネントがあります。プールは、受信リクエストの送信先となるサーバーのホスト名または IP アドレスを保存するオリジンサーバーのコンテナーとして機能します。各プールはサービスのバージョンにアタッチされますが、オリジンサーバーはバージョンレスで、変更があれば即反映されます。

ダイナミックサーバーの活用方法

ダイナミックサーバーは、オリジンサーバー間でリクエストをロードバランシングする必要がある場合に役立ちます。以下のような利用法が考えられます。

  • 新しいサーバーインスタンスタイプや新しいソフトウェアのデプロイを評価する際
  • 個々のマイクロサービスを個別に拡張する際

具体的には、以下のような活用方法があります。

  • ローカル・サーバー・ロード・バランサー (LSLB) は、米国東部リージョンの AWS EC2 インスタンス、または単一のデータセンターやオンプレミスなど、単一リージョン内のオリジンサーバー間でリクエストをバランスするために使用されます。
  • グローバル・サーバー・ロード・バランサー (GSLB) は、以下のような地理的に分散したインフラのオリジンサーバー間でリクエストをロードバランスするために使用されます。
    • IaaS (Infrastructure as a Service) プロバイダー (例:AWS、GCP、Microsoft Azure) の複数リージョン内
    • 複数の IaaS プロバイダー (例:AWS、GCP、Microsoft Azure) 間
    • オンプレミスのオリジンサーバーやデータセンターと IaaS プロバイダーを組み合わせたハイブリッドインフラの一部として

入門

次の手順に従ってください。

  1. ロック解除されているが、まだ有効化されていない実行中のサービスバージョンでプールを作成
  2. 新たに作成されたプールに少なくとも1つのオリジンサーバーを追加し、制約事項を検討してください。
  3. プールに関連付けられたサービスのバージョンを有効化します。

プールを作成し、適切に関連付け、オリジンサーバーを追加すると、サービスで呼び出すことができます。

制約事項

ダイナミックサーバーを使用するにあたり、以下の制約事項に留意してください。

  • 各 Fastly サービスにてオリジンサーバーは5つまで設定きます。 オリジンサーバーは、これらの制約事項によりオリジンとしてカウントされます。アカウントでサービスごとに5つ以上のオリジンサーバーを有効にする場合は、sales@fastly.com にお問い合わせください。
  • プールはカスタム VCL で作成することはできません。 API を使用してプールを作成した場合は、API を使用してプールに変更を加えたり、カスタム VCL を使用してプールを操作したりすることができます。
  • プールには、少なくとも1つの有効なサーバーエントリーが必要です。 プールに有効なエントリーが1つしか残っていない場合、オリジンサーバーを削除することはできません。
  • オリジンサーバーの削除は恒久的です。 オリジンサーバーを削除すると、すべてのサービスバージョンから永久に削除され、復元できなくなります。
  • プールを削除しても、編集中のサービスバージョンからしか削除されません。 プールはバージョンに紐付けされており、クローンを作成したり元に戻したりすることができます。プールを使用する場合、設定を可能な限り容易に前のバージョンにロールバックできるよう、現在のサービスバージョンからプールを削除するなどの操作が行なえるようになっています。
  • オリジンサーバーの変更に関するイベントログは存在しません。 API を使用してオリジンサーバーを追加、更新、削除する場合、その記録はありません。変更の単一の記録は、プールが最初にサービスバージョンに関連するポイントを表示する際にあります。

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