配信サービスの統計情報
最終更新日 2022-03-29
配信サービスの Stats ページのコントロールパネルでは、サービスのリアルタイムの分析結果をモニタリングおよび過去のキャッシュ統計情報を閲覧することができます。
設定前の注意点
ここで遭遇する配信サービスの詳細を確認する前に、コントロールパネルにアクセスする方法を理解し、Stats インターフェースについての基本情報に注意を払うようにしてください。
リアルタイム統計の表示
リアルタイム統計グラフでは、サービスのキャッシュが毎秒変化しているため、別々にモニタリングすることができます。
ダッシュボードのメニューから、データを表示したいデータセンターを選択することができます (デフォルトではすべてのデータセンターが表示されます)。また、ダッシュボード上部には、以下のようなリアルタイムのキャッシュ情報が表示されます。
- Requests: 秒間に Fastly が受信するサイトへのリクエストの数。
- Hits: リクエストされたデータがキャッシュ内で見つかり、オリジンサーバーへのフェッチを必要としなかった回数。
- Misses: リクエストされたデータがキャッシュで見つからず、オリジンサーバーにリクエストしなければならなかった回数。
- Hit Ratio: アクセスされているコンテンツのうち、現在 Fastly によってキャッシュされているものの割合。これは、Fastly ではキャッシュヒット率としても知られています。キャッシュヒット率を計算する方法は数多くありますが、Fastly ではキャッシュ可能な全コンテンツ (ヒット数 + ミス数) に対するキャッシュヒット (ヒット数) の割合と定義しています。オリジンシールドを有効にしていると、ヒット率が不正確になる可能性があります。
- Errors: Fastly がサイトへのリクエストを受信する際に発生する1秒あたりのエラーレスポンスの数。
- Hit Time: キャッシュヒットの処理にかかる平均時間 (ミリ秒単位)。
- Miss Time: キャッシュの処理にかかった時間 (ミリ秒) の平均値。
上述のリアルタイムのキャッシュ情報に続いて、下記のようなグラフが表示されます。
グラフにはそれぞれ以下のような情報が表示されます:
- Global POP Traffic: サービスへのトラフィックが経由した世界中の POP を表示するヒートマップ。
- Requests: 対象のサービスで Fastly が受信したリクエストの経時的総数を示すグラフ。
- Errors: エラーリクエストの経時的総数を示すグラフ。
- Hit Ratio: キャッシュ対象のコンテンツの Fastly の経時的キャッシュヒット率で示すグラフ。
- Bandwidth: 対象のサービスにおける Fastly から利用者への送信帯域の情報を示すグラフ。
- Image Optimizer: Fastly イメージオプティマイザー機能が有効な場合、イメージオプティマイザーから送信されたレスポンスの経時的総数を表示するグラフ。
- Image Optimizer (Videos): Fastly イメージオプティマイザー機能が有効な場合、イメージオプティマイザーから送信されたビデオのレスポンスの経時的総数を表示するグラフ。
- Image Optimizer (Video Frames): Fastly イメージオプティマイザー機能が有効な場合、イメージオプティマイザーから送信されたビデオフレームのレスポンスの経時的総数を表示するグラフ。ビデオフレームとは、動画を構成する一連の画像の個々の画像です。
- Logs: Fastly からエンドポイントに送信されたログ数を示すグラフ。
- Log Bandwidth: Fastly からエンドポイントに送信されたログの総帯域幅を表示するグラフ。
- Origin Latency: キャッシュミスやパスの際、最初のバイトが到着するまでの平均時間 (ミリ秒単位) を表示するヒストグラム。オリジンレイテンシが高いということは、バックエンドがリクエストを処理するのに時間がかかっていることを意味します。
サービスを作成したばかりの場合、「表示するデータがありません」というメッセージが表示されることがあります。これは、以下の理由によるものです:
- データを表示するのに十分なトラフィックが発生していない。 この場合は、自らサイトを訪問してトラフィックを発生させてください。
- CNAME 変更直後である。 変更が DNS サーバーに反映するのに、数分から数時間かかることがあります。詳細についてはDNS 情報の変更をご参照下さい
キャッシュアクティビティのリアルタイムデータの表示が開始されると、統計グラフの相互作用が可能になります。
Historic Stats を表示
Historic stats グラフは、選択した Fastly サービスの統計 API にビジュアルインターフェースを提供します。また、All servicesをクリックすると、Fastly のすべてのサービスに集約された過去のメトリクスを表示できます。このグラフは、サイトの統計情報から得られたメトリクスを表示するものです。サービスを作成したばかりの場合、「表示するデータがありません」というメッセージが表示されることがあります。
表示されるキャッシングやパフォーマンスに関するメトリクスは、Web サイトのスピードを最適化するために有用な情報です。これらのメトリクスには、次のようなものが含まれます:
- Hit Ratioの指標では、Fastly 上でコンテンツがうまくキャッシュされているかを示します。この指標は、すべてのキャッシュ可能なコンテンツ (ヒット数 + ミス数) に対するキャッシュヒット (ヒット数) の割合を表しています。ヒット率を上げることで、Fastly による全体的なパフォーマンスをさらに改善することができます。
- Cache Coverageのメトリクスでは、Fastly によってキャッシュされているコンテンツの割合を示します。この指標は、キャッシュ可能なリクエスト数 (「パス」しないリクエスト) と合計リクエスト数の比率を表します。パス対象のコンテンツの割合を減らし、キャッシュカバー率を向上させることで、サイトのパフォーマンスが向上し、オリジンサーバーの負荷をより軽減することができます。
- Caching Overviewの指標では、VCL エッジレスポンスでのキャッシュヒット、キャッシュミス、シンセティックレスポンス、そしてパス (または設定によってキャッシュできないリクエスト) といった指標を比較することができます。
トラフィックのメトリクスでは、Web サイトのトラフィックが時間の経過と共にどのように変化したかを分析することができます。これらのメトリクスには、次のようなものが含まれます:
- Requests指標は、Fastly がサイトに受信したリクエスト数を示します。
- Bytes Transferredの指標では、対象のサービスに対して Fastly が配信したバイト数の合計を表示します。
- Header & Body Bytes Transferredの指標では、 配信した HTTP リクエストのボディ部分とヘッダー部分のバイトが相対的に表示されます。
- Miss Latencyに関する指標では、キャッシュミス時のレイテンシの配分を表示します。
- Error Ratioの指標は、サイトの総リクエスト数に対するエラーレスポンス (4xx および 5XX のステータスコードエラー) の比率を示します。この指標では、エラーレスポンスのタイプをフィルタリングし、指定した時刻内に発生したエラーのスパイクを素早く特定することができます。
- HTTP Info, Success, & Redirects指標は、Fastly を使用してサイトに配信された HTTP 情報 (1XX)、成功 (2xx)、およびリダイレクト (3XX) のステータス数を示します。
- Status 3XX Details指標は、HTTP ステータス 301s、302s、304s、その他の 3XX リクエスト数の内訳を示します。
- HTTP Client and Server Errors指標は、Fastly がサイトに配信した HTTP クライアエラー (4XX) とサーバーエラー (5XX) の数を示します。
- HTTP versions指標は、HTTP/1.1、HTTP/2、HTTP/3 (QUIC) プロトコルを使用したリクエスト数を示します。
- TLS versions指標は、TSL1.0、TLS1.1、TLS1.2、TLS1.3 プロトコルを使用したリクエスト数を示します。
- Logs の指標は、Fastly からエンドポイントに送信されたログの数を示します。
- Log Bandwidth の指標は、Fastly からエンドポイントに送信されたログの総帯域幅サイズを示します。
- イメージオプティマイザー機能が有効な場合、Image Optimization Requests の指標は、Fastly 画像最適化サービスから送信されたレスポンスの数を示します。
次の内容
キャッシュやパフォーマンスに関するメトリクスの表示が開始されると、統計グラフの操作が可能になります。