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サービスを設定する
最終更新日 2023-11-15
Fastly サービスは、Web サイトまたはアプリケーションに対する、ユーザーが定義したキャッシュルールと動作のセットです。新しい Fastly サービスを作成することで、以下を実行できます。
- 管理する新しい Web サイトを Web プロパティのリストに追加する
- Fastly 経由ですでに配信している既存のドメインのリストに新しいドメインを追加する
- サイト内の画像など、特定のデジタルアセットのトラフィックメトリクスを分離する
アカウントに紐付けられているすべてのサービスには、どのページでもサービス名の横に固有の ID が表示されます。
作成後は、設定の改良と更新が含まれる Fastly サービスの新しいバージョンを編集し有効にすることができます。コントロールパネルでは、既存の Fastly サービスで他の操作を行うこともできます。例えば、相互比較、無効化または再有効化、削除などです。
設定前の注意点
Fastly サービスを操作し始める前に、キャッシュと CDN の仕組みを理解する必要があります。また、Fastly コントロールパネルを使用して Fastly サービスを操作する前に、その機能について理解する必要があります。
ヒント
このガイドでは、CDN サービスと Compute サービスの作成と操作に関する手順をご紹介しています。 Compute を利用するサービスの操作について詳しくは開発者ポータルをご覧ください。
Fastly サービスとバージョンを理解する
サービスを作成する際は、何らかの処理を行う前に設定する必要があります。この設定により、サービスを通じてトラフィックを処理する方法を Fastly に伝えます。サービスの設定は、正式にはそのサービスのバージョンと呼ばれます。新しいサービスは最初のバージョン1つのみだと気が付くでしょう (新規のサービスはすべてこのように開始します)。サービスの初期バージョンは非アクティブな空白の状態で、設定と有効化を待機します。初期バージョンを有効化すると、サービスは設定に応じてトラフィックの処理を開始します。
サービスには多くのバージョンを作成できます。各バージョンはそれぞれ独自のステータスを有します。
- Draft は、すべてのバージョンが最初に作成された時点のステータスです。このステータスは、該当バージョンが有効化されておらず、編集中であることを示します。編集可能なのは、Draft ステータスのバージョンのみです。
- Active は、有効化したバージョンに表示されるステータスです。あるバージョンを有効化すると、Fastly に対してサービスのトラフィックにその設定の使用を指示しています。一度に Active にできるのは、1つのバージョンのみです。サービスが有効化されると、ロックされて編集できなくなります。無効化または再有効化のみが可能です。
- Locked は、無効化したバージョンに表示されるステータスです。このステータスは、該当バージョンが編集できないことを示します。Active バージョンは、最初に有効化された時点で自動的にロックされますが、表示ステータスは Locked ではなく Active となります。
最終的に、サービスのバージョンが増えると、Locked ステータスが最も多くなります。何らかの時点で、これらの Locked バージョンのいずれかの設定が現在 Active なバージョンの設定より望ましいと判断される場合があります。その時は、該当するバージョンを再有効化できます。または、そのバージョンの一部が実行可能でない場合、そのバージョンをクローンしてください。クローンに対して変更を加えれば、Draft ステータスとなります。Fastly はサービスのバージョン履歴を完全に記録して維持するので、いつでも任意のバージョンにサービスをロールアップできます。
サービス作成上の制限
- アカウントは、定められたサービス数に制限されています。アカウントタイプと購入されたパッケージオファーに基づいて、アカウントごとに作成できるサービス数に制限を設定しています。この制限を増やす方法の詳細については、japan@fastly.com にお問い合わせください。
- 各サービスは、定められたドメイン数に制限されています。デフォルトでは、アカウントタイプと購入されたパッケージオファーに基づいて、サービスごとに作成できるドメイン数に制限を設定しています。ただし、サポートチームに連絡した場合、サービス内のドメインの取り扱いを設定し、微調整を行うことで、この番号を調整することができる場合があります。
新しいサービスの作成
コントロールパネルを介して新しい CDN サービスと Compute サービスを作成できます。
新規の CDN サービスの作成
以下の手順を使用して、多くの顧客に共通する標準的なデフォルトを使用する CDN サービスをすばやく作成します。すぐにドラフトサービスを作成したい場合は、スキップしてサービス設定に移動リンクをクリックすると、推奨されるデフォルト設定なしで、新しいサービスのドラフトバージョンが自動的に作成されます。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- ページの右上、プライマリナビゲーションのコントロールのすぐ下にある New service をクリックします。
- Service name フィールドに、サービスの分かりやすい名前を入力します (例:
My Example Website Service
)。 - Domain フィールドに、Fastly がリクエストをルーティングするために使用するドメイン名を入力します。ドメインの操作に関するガイドには、詳細な情報が記載されています。
- Host フィールドに、サイトのバックエンドまたはオリジンとして使用する予定のホスト名を入力します。ホストの操作に関するガイドには、詳細な情報が記載されています。
- サービスに対してデフォルトで有効になっている推奨設定を確認し、適切な設定スイッチをクリックしてオフに切り替えて、それらを無効にするかどうかを決定します。
- Override default host 設定では、オリジンレベルでのホストのオーバーライドを有効にします。サービスを作成する多くの顧客は、特に特定のホスト名を渡す必要があるオリジンを使用する場合、同時にオーバーライドホストを指定します。
- Default compression 設定では、デフォルトの圧縮ポリシーを使用して自動圧縮を有効にします。エッジサーバーの自動圧縮機能は、アセットのサイズを小さくして、トラフィックの流れを速くするのに役立ちます。
- Force TLS & HSTS 設定では、Fastly を介して HTTP Strict Transport Security (HSTS) セキュリティ拡張仕様を有効にし、最新のウェブブviewing-a-subset-of-all-servicesラウザーが TLS プロトコル経由でのみ通信するように強制します。このデフォルト設定を有効のままにする場合は、ドメインで使用する TLS 証明書を必ず作成してください。詳細については、TLS ドキュメントを参照してください。
- Activate をクリックします。サービスは、指定したサービス名、ドメイン、ホスト、および有効のままにしたデフォルト設定を使用して作成されます。
- 新しいブラウザウィンドウで
https://www.example.com.global.prod.fastly.net
を開き、独自のウェブサイトのドメイン名をwww.example.com
に置き換えることで、サービス設定をテストします。これにより、顧客のウェブサイトが表示されます。ただし、新しい設定が有効になるまでに最大 60 秒程度かかる場合があります。トラフィックを配信する前に、好きなだけ様々な設定内容についての検証を進めてください。 - すべてを確認して準備ができたら、Fastly に向けてドメインの CNAME DNS レコードを設定してサービスのセットアップを完了し、Fastly 経由でトラフィックの配信を開始できます。
新しい Compute サービスの作成
新しい Compute サービスを作成するには、以下の手順に従ってください。
注意
ステップによっては、Fastly CLI を使用する必要があります。 まだ使用したことがない場合は、API トークンを作成する手順に従い、範囲が global
に設定されていることを確認してください。その後、Fastly CLI のダウンロードとインストールを行い、先に進む前にそのトークンを使用してアカウントを認証します。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Create service メニューから Compute を選択して、Wasm ベースのサービスを作成します。名前が付けられていない新規の Wasm サービスの設定ページが表示されます。
- 必要に応じてサービスの名前を変更します。
- (オプション) 設定中のものを特定しやすいようにコメントを追加します。
ヒント
Compute サービスを作成した後、Fastly CLI を介して残りの設定手順を完了することができます。
Domains フィールドを使用して、サービスにドメインを追加します。
注意
Compute では、TLS を使用してドメインを保護する必要があります。
Hosts フィールドを使用して、サービスにホストを追加します。
ヒント
サービスを設定するお客様の多くは、同時にオーバーライドホストを指定します。この機能に興味をお持ちの方は、オリジンレベルでのホストの上書きに関するガイダンスをご覧ください。
- Fastly CLI を使用して、新規の Compute プロジェクトを作成します。 ローカル開発環境と
fastly.toml
パッケージマニフェストが生成されます。 fastly.toml
を開き、service_id
プロパティにサービス IDを追加します。- Fastly で使用するためにパッケージ化された Wasm バイナリにプロジェクトをコンパイルします。パッケージは
<name>.tar.gz
と名付けられます。 - Fastly コントロールパネルでサービスに戻ります。
- Package をクリックします。
- Browse for Package をクリックして、システムのパッケージファイルに移動します。
- 新しいブラウザウィンドウで
http://www.example.com.global.prod.fastly.net
を開き、独自のウェブサイトのドメイン名をwww.example.com
に置き換えることで、サービス設定をテストします。これにより、お客様の Web サイトが表示されます。ただし、新しい設定が有効になるまでに最大60秒程度かかる場合があります。
ヒント
トラフィックを配信する前に、好きなだけ様々な設定内容についての検証を進めてください。
- 画面の右上にある Activate をクリックし、Confirm and Activate をクリックして、新しいサービスを有効化します。 Compute ページに、適用した設定の詳細が表示されます。
- 準備が整ったら、Fastly に向けてドメインの CNAME DNS レコードを設定してサービスのセットアップを完了し、Fastly 経由でトラフィックの配信を開始できます。
サービスの編集
既存のサービスのバージョンを編集し、以下を行うことができます。
- サービスのキャッシュメモリにデータを保持する期間を変更する
- オリジンサーバーが長期間利用できなくなった場合に、失効済みコンテンツを一時的に提供するようサービスを設定する (メンテナンスのためにオフラインにする場合など)
- コンテンツのリクエストに対するオリジンサーバーからのレスポンスを Fastly が待つ時間を減らす
サービスバージョンの編集と有効化
Fastly ではすでに有効化されたサービスのバージョンがロックされるので、より安全なロールバックやバージョン管理が可能です。有効化されているかどうかに関わらず、既存のサービスバージョンをクローンし、そのクローンバージョンを編集することができます。設定をデプロイするには、サービスの新しいバージョンを有効化する必要があります。設定の変更は自動的に有効化されません。
サービスを変更し、新しいバージョンを有効化するには、以下の手順を行います。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Home ページから、適切なサービスを選択します。検索ボックスで ID、名称、ドメインによる検索が行えます。
- Edit configuration メニューから、適切なサービス設定アクションを選択します。
- Clone version [バージョン番号] (active) を選択すると、サービスの有効なバージョンをクローンして編集することができます。
- サービスの最新ドラフトを編集するには、Edit version [バージョン番号] (latest draft) を選択します。
- Activate をクリックします。サービスの新しいバージョンが有効化され、イベントログに表示されます。
すべてのサービスを表示する
アカウントに関連付けられているすべてのサービスを表示するか、フィルターで特定のタイプのサービスのみを表示することができます。
サービスの一覧を確認する
ログイン後にすべてのサービスを確認するには、Home ページの Your services カードにある Compute services または CDN services のいずれかをクリックすると、特定の種類のサービスのリストが表示されます。 表示リストの各列をクリックすると、そのコンテンツタイプに基づいてリスト全体が並び替えられます。
サービスが多数存在する場合、サービスリストの上にある3つのラインのアイコンをクリックすると、簡約されたバージョンのリストを表示することができます。
すべてのサービスのサブセットを表示する
サービスのリストをフィルタリングすることで、有効化されているサービスやお気に入りとして指定されているサービスのみを表示できます。 サービスをフィルタリングするには、サービスリストの上にある Filter メニューから、適切なフィルターを選択します。
リストに適用したフィルターは、サービスのリストの上に楕円形の図形で表示されます。任意のフィルターの x
または Clear filters オプションをクリックすることで、いつでもフィルターを削除できます。
ヒント
サービスが多数存在する場合は、サービス名の左側にある星アイコン⭐をクリックして、お気に入りとしてマークすることをお勧めします。フィルターを使用して、お気に入りのみを含めることで、サービスのサブセットを表示することができます。
サービスとサービスバージョンの切り替え
アカウントに関連付けられたサービスを切り替えるには、以下の手順に従ってください。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Home ページから、適切なサービスを選択します。検索ボックスで ID、名称、ドメインによる検索が行えます。
Service summary または Service configuration ページで、アカウント名と ID の右側にあるスイッチャーをクリックします。
表示されるリストから適切なサービスを選択します。
特定のサービスのバージョンを切り替えるには、以下の手順に従ってください。
Service configuration ページで、バージョン番号の右側にあるスイッチャーをクリックします。
表示されるリストから適切なバージョンを選択します。
サービスの削除
Fastly では、作成したサービスとそのすべてのバージョンを一括で削除することができます。しかし、Fastly ではサービスの特定のバージョンを削除することはできません。サービスバージョンは、サービスに対して加えられた変更に関する履歴ログになります。特定のサービスバージョンで導入された変更を元に戻すには、以前のバージョンに戻って再有効化するか、または古いバージョンに基づいて新しいサービスバージョンをクローンすることができます。
サービスをそのすべてのバージョンと一緒に削除する場合は、以下の手順に従ってください。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Home ページから、適切なサービスを選択します。検索ボックスで ID、名称、ドメインによる検索が行えます。
- Options メニューから、Deactivate を選択します。
- Confirm and deactivate をクリックし、サービスを無効化すること、およびこのサービスでトラフィックを配信しないことを確認します。
- Options メニューから、Delete を選択し、Confirm and delete をクリックしてサービスを削除します。
重要
ドメインが不正に使用されるリスクを最小限に抑えるために、削除されたサービスに関連する Fastly ホスト名を指す DNS CNAME レコードを編集または削除することを強くお勧めします。手順については DNS プロバイダーの Web サイトに記載されている指示に従ってください。
その他の機能
サービスの作成または編集に加えて、すべてのサービスの表示、名前の変更、バージョンの比較、特定のバージョンの無効化または再有効化、および削除も実行できます。
サービス名の変更
サービス名を変更するには、以下の手順に従ってください。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Home ページから、適切なサービスを選択します。検索ボックスで ID、名称、ドメインによる検索が行えます。
- オプションメニューから、サービス名を編集を選択します。
- Service name フィールドに、新しいサービス名を入力します。
- 適用をクリックします。新しく変更されたサービス名が表示されます。
サービスバージョンにコメントを追加する
サービスバージョンには、ラベル付けを示すコメントを入れることができます (そのバージョンの変更の理由の特定など)。ロックされたサービスバージョンと有効化されているサービスバージョンの両方でコメントの追加や更新が可能です。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Home ページから、適切なサービスを選択します。検索ボックスで ID、名称、ドメインによる検索が行えます。
- Edit configuration をクリックし、アクティブなバージョンをクローンするオプションを選択します。
コントロールパネルの右上にある Add comment をクリックします。
コメントウィンドウが表示されます。
Comment フィールドに、そのバージョンに対する分かりやすいコメントを入力します。
Save をクリックします。Add comment リンクがあった場所に、コメントの最初の部分が表示されます。
ヒント
サービスバージョン番号をクリックしてバージョン選択メニューを表示するか、またはバージョンコメントのアイコンをクリックしてバージョンコメントを別ウィンドウで表示することで、いつでもサービスバージョンのコメントを確認できます。バージョンに対するコメントはイベントログにも表示され、アカウントのアクティビティのモニタリングに役立ちます。
異なるサービスバージョンの比較
サービスの2つのバージョンを比較するには、以下の手順に従ってください。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Home ページから、適切なサービスを選択します。検索ボックスで ID、名称、ドメインによる検索が行えます。
Diff versions をクリックします。 Diff versions ページが表示されます。
削除は赤で、追加や変更は緑で表示されます。影響を受けていない設定行の大きなブロックは、実際の変更点の左側、行番号の隣にあるプラス (+) 記号をクリックすることで、拡大して表示したり、折りたたんで隠すことができます。
ヒント
Switch versions をクリックし、表示されるメニューで別のバージョン番号を選択することで、比較されるサービスバージョンを変更することができます。
サービスの無効化
サービスを無効化するには、以下の手順に従ってください。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Home ページから、適切なサービスを選択します。検索ボックスで ID、名称、ドメインによる検索が行えます。
- Options メニューから、Deactivate を選択します。
- Enter service name フィールドに、無効化するサービス名を正確に入力します。
- Confirm and deactivate をクリックし、サービスを無効化すること、およびこのサービスでトラフィックを配信しないことを確認します。
重要
お客様のドメインが不正に使用されるリスクを最小限に抑えるため、無効化したサービスに関連する Fastly のホスト名を指す DNS CNAME レコード[を修正または削除することを強くお勧めします。手順については DNS プロバイダーの Web サイトに記載されている指示に従ってください。
また、API を使用してサービスの有効化と無効化を行うこともできます。サービスを誤って削除した場合は、Fastly にお任せください
サービスの再有効化
サービスを再有効化するには、以下の手順に従ってください。
- Fastly コントロールパネルにログインします。
- Home ページから、適切なサービスを選択します。検索ボックスで ID、名称、ドメインによる検索が行えます。
- Edit configuration をクリックし、アクティブなバージョンをクローンするオプションを選択します。
- Activate をクリックします。これによりサービスが再有効化されます。
- サービスを無効化した際にサービスのドメインの DNS CNAME レコードを削除した場合は、ここで新しい DNS CNAME レコードを追加する必要があります。
誤ってサービスを削除した場合
サービスは無効化または削除することができます。無効化されたサービスはいつでも再有効化できますが、一度削除されたサービスを復元させたい場合は、カスタマーサポートにご連絡ください。リクエストを送る際には、以下の項目を必ず記入してください。
- カスタマー ID
- お客様の会社名
- サービス ID (復元したいサービスの名前)
サービスの復元が完了次第、カスタマーサポートよりご連絡さしあげます。
次のステップ
サービス設定のバージョンを改良し続けながらのドメイン、ホスト、ヘルスチェックの操作について詳しくはこちらをご覧ください。
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