Storj DCS オブジェクトストレージ

Storj DCS は、Storj DCS S3 ゲートウェイを介して、パブリックおよびプライベート Storj バケットのオリジンとして使用できます。Storj Network 上に構築された Storj DCS は、S3 と互換性のある分散型オブジェクト・ストレージ・サービスで、デフォルトでエンドツーエンドの暗号化を提供します。

前提条件

Fastly サービスのオリジンとして Storj DCS を追加する前に、Storj DCS アカウントプロジェクトとアクセスの認証情報、オリジンとして機能するバケットを作成する必要があります。

Storj DCS をオリジンとして使用する

Storj DCS をオリジンとして使用し、Storj DCS S3 ゲートウェイ経由で Fastly を通じて Storj バケットを利用できるようにするには、以下の手順に従ってください。

新しいサービスの作成

新規サービスを作成する手順に従ってください。

  1. 新しいドメインとホストを作成する場合、以下を行います:
    • Create a domain ページの Domain Name フィールドに、URL として使用するホスト名を入力します (例: cdn.example.com)。
    • Origins ページの Hosts フィールドに、バケットを含む <BUCKET>.gateway.<REGION>.storjshare.io の形式を使用して Storj DCS ゲートウェイエンドポイントの IP アドレスまたはホスト名を入力します (例: origin.gateway.us1.storjshare.io)。
  2. Edit this host ページでホストの詳細を編集する場合、以下を行ってください。
    • まだ入力されていない場合は、Name フィールドに分かりやすい任意のサービスの名前を入力します。
    • Address フィールドに、Storj DCS ゲートウェイエンドポイントの IP アドレスまたはホスト名が入力されていることを確認します。この情報はホスト作成時に入力されたものです。
  3. トランスポートレイヤーセキュリティ (TLS) のセクションでホストの情報を編集する場合、以下を行ってください。
    • Storj DCS S3 ゲートウェイに対して TLS を設定している場合、Enable TLS? をデフォルト設定の Yes のままにし、Fastly とオリジン間の接続を保護します。
    • SNI hostname フィールドで、Match the SNI hostname to the Certificate hostname のチェックボックスを選択します。ホスト作成時に入力したアドレスが表示されます。
    • Certificate hostname フィールドに、Storj DCS S3 ゲートウェイの IP アドレスまたはホスト名を入力します。

結果をテストする

デフォルトでは、yourdomain.global.prod.fastly.net と呼ばれる DNS マッピングが作成されます。上記の例では、cdn.example.com.global.prod.fastly.net となります。指定したドメイン名の DNS エイリアスを作成します (例: global-nossl.fastly.net に対する CNAME cdn.example.com)。

Fastly は、明示的な Cache-Control ヘッダーのないコンテンツを1時間にわたってキャッシュします。キャッシュヘッダーを送信しているかどうかは、curl コマンドを使用して確認することができます。例:

$ curl -I https://cdn.example.com
Accept-Ranges: bytes
Content-Length: 250
Content-Type: application/xml
Server: MinIO/DEVELOPMENT.GOGET
Vary: Origin
Date: Wed, 07 Oct 2020 02:31:27 GMT

この例では Cache-Control ヘッダーが設定されていないため、デフォルト TTL が適用されます。

より詳細なキャッシュコントロール

アセットの種類 (JavaScript ファイルや画像など) に応じてキャッシュ方法をより細かくコントロールする必要がある場合は、キャッシュの鮮度に関するドキュメントをご覧ください。

Storj DCS バケットをオリジンホストとして使う

Fastly でオリジンとして Storj DCS S3 ゲートウェイを使用するには、Amazon のヘッダーベース認証のバージョン4を実装する必要があります。これはカスタム VCL を使用して行うことができます。まずは AWS から以下の情報を入手します。

項目説明
バケット名プライベートバケットの名前。バケットからアイテムをダウンロードする際に、各オブジェクトの URL パスやホスト名に記載される文字列です。
アクセスキーバケットに対して少なくとも読み取り権限を持っている Storj DCS Access Grant に関連付けられたアクセスキー文字列。
シークレットキー上記のアクセスキーとペアになっているシークレットアクセスキー。

これらの情報が得られれば、VCL で適切なヘッダー値を計算することで、ヘッダー認証を使用してプライベートバケットに対して認証を行うように Fastly サービスを設定することができます。

重要

サービスの設定で、オリジンの Override host フィールドを空白にすることを検討してください。この設定を行うと、ここで示したスニペットのホストヘッダーが上書きされ、送信される情報を認証する署名が無効になる可能性があります。

まず、レギュラー VCL スニペットを作成します。Storj DCS Origin のような意味のある名前を付けます。スニペットを作成する際に、within subroutine を選択して配置を指定し、サブルーチンタイプとして miss を選択します。次に、VCL フィールドに以下のコードを入力します (特定の値は、お客様自身のバケットに関連するものに変更してください)。

1declare local var.accessKey STRING;
2declare local var.secretKey STRING;
3declare local var.storjBucket STRING;
4declare local var.storjGateway STRING;
5declare local var.region STRING;
6declare local var.canonicalHeaders STRING;
7declare local var.signedHeaders STRING;
8declare local var.canonicalRequest STRING;
9declare local var.canonicalQuery STRING;
10declare local var.stringToSign STRING;
11declare local var.dateStamp STRING;
12declare local var.signature STRING;
13declare local var.scope STRING;
14set var.accessKey = "YOUR_ACCESS_KEY"; # Change this value to your own data
15set var.secretKey = "YOUR_SECRET_KEY"; # Change this value to your own data
16set var.storjBucket = "YOUR_BUCKET_NAME"; # Change this value to your own data
17set var.storjGateway = "STORJ-DCS_GATEWAY"; # Change this value to your own data
18set var.region = "decentralized";
19if (req.method == "GET" && !req.backend.is_shield) {
20 set bereq.http.x-amz-content-sha256 = digest.hash_sha256("");
21 set bereq.http.x-amz-date = strftime({"%Y%m%dT%H%M%SZ"}, now);
22 set bereq.http.host = var.storjBucket "." var.storjGateway;
23 set bereq.url = querystring.remove(bereq.url);
24 set bereq.url = regsuball(urlencode(urldecode(bereq.url.path)), {"%2F"}, "/");
25 set var.dateStamp = strftime({"%Y%m%d"}, now);
26 set var.canonicalHeaders = ""
27 "host:" bereq.http.host LF
28 "x-amz-content-sha256:" bereq.http.x-amz-content-sha256 LF
29 "x-amz-date:" bereq.http.x-amz-date LF
30 ;
31 set var.canonicalQuery = "";
32 set var.signedHeaders = "host;x-amz-content-sha256;x-amz-date";
33 set var.canonicalRequest = ""
34 "GET" LF
35 bereq.url.path LF
36 var.canonicalQuery LF
37 var.canonicalHeaders LF
38 var.signedHeaders LF
39 digest.hash_sha256("")
40 ;
41 set var.scope = var.dateStamp "/" var.region "/s3/aws4_request";
42 set var.stringToSign = ""
43 "AWS4-HMAC-SHA256" LF
44 bereq.http.x-amz-date LF
45 var.scope LF
46 regsub(digest.hash_sha256(var.canonicalRequest),"^0x", "")
47 ;
48 set var.signature = digest.awsv4_hmac(
49 var.secretKey,
50 var.dateStamp,
51 var.region,
52 "s3",
53 var.stringToSign
54 );
55 set bereq.http.Authorization = "AWS4-HMAC-SHA256 "
56 "Credential=" var.accessKey "/" var.scope ", "
57 "SignedHeaders=" var.signedHeaders ", "
58 "Signature=" + regsub(var.signature,"^0x", "")
59 ;
60 unset bereq.http.Accept;
61 unset bereq.http.Accept-Language;
62 unset bereq.http.User-Agent;
63 unset bereq.http.Fastly-Client-IP;
64}

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