Compute@Edge ログストリーミング:Microsoft Azure Blob Storage
最終更新日 2022-05-31
Fastly の Compute@Edge サービスのリアルタイムログストリーミング機能は、ログファイルを Microsoft Azure Blob Storage (Blob Storage) に送信することができます。Blob Storage は、大量の非構造データを制御し、HTTP や HTTPS を使ってユーザーに配信するために使用される静的ファイルストレージサービスです。
注意
Fastly ではサードパーティのサービスに関する直接のサポートは行っておりません。詳細については、Fastly サービスの利用規約をご参照ください。
前提条件
Fastly Compute@Edge サービスのログエンドポイントとして Blob Storage を追加する前に、Azure portal で Azure ストレージアカウントを作成します。アカウントの作成については、Microsoft のアカウント作成のドキュメントをご参照ください。
Fastly 専用の共有アクセスシグネチャ (SAS) ユーザーを作成することをお勧めします。詳細については、Microsoft の共有アクセスシグネチャ (SAS)のドキュメント、特に Account SAS URI の例の部分をご参照ください。
Blob に書き込み権限を提供する SAS トークンの例を紹介します。
sv=2018-04-05&ss=b&st=2018-04-29T22%3A18%3A26Z&sr=b&se=2020-04-30T02%3A23%3A26Z&sp=w&sig=Z%2FRHIX5Xcg0Mq2rqI3OlWTjEg2tYkboXr1P9ZUXDtkk%3D
以下の表では、トークンの各部分と SAS にもたらす意味を説明しています。
要素 | 例 | 説明 |
---|---|---|
sv | sv=2018-04-05 | ストレージサービスのバージョン。 |
ss | ss=b | signedservice のフィールド。これは必須であり、 「blog storage」 のb である必要があります。 |
st | st=2018-04-29T22%3A18%3A26Z | UTC で指定されたトークンの開始時間。 |
sr | sr=b | このトークンにアクセスできるリソースを保存します。Fastly では Blob (b ) が必要です。 |
se | se=2020-04-30T02%3A23%3A26Z | UTC で指定されたトークンの有効期限。 期限が切れる前にトークンが更新されないとログが機能しなくなりますのでご注意ください。 |
sp | sp=w | SAS トークンによって与えられた権限。Fastly では write (w ) であることが必要です。 |
sig | sig=Z%2FRHIX5Xcg0Mq2... | Blob へのアクセスを認証するための署名。 |
ログエンドポイントとして Blob Storageを追加する
Azure アカウントに登録し、SAS トークンを作成した後、以下の手順にしたがって Blob Storage をログエンドポイントとして追加します。
- Rust、AssemblyScript、および JavaScript で書かれた Compute@Edge コードでログ記録を実行する方法に関する詳細については Fastly の開発者向けドキュメントをご覧ください。
- Azure Blob Storage Create endpointボタンをクリックします。Create a Microsoft Azure Blob Storage endpoint ページが表示されます。
- 以下のように、Create a Microsoft Azure Blob Storage endpointフィールドに入力します。
- Name フィールドに、Compute@Edge コードに指定した名前を入力します。例えば、Rust コードの例では、名前は
my_endpoint_name
です。 - Storage account name フィールドに、データオブジェクトが保存される固有の Azure 名前空間を入力します。
- Container フィールドに、ログを保存する Blob Storage コンテナの名前を入力します。詳細については、Microsoft のBlob storage ページを参照してください。
- SAS token フィールドに、コンテナに関連するトークンを入力します。
- Name フィールドに、Compute@Edge コードに指定した名前を入力します。例えば、Rust コードの例では、名前は
ヒント
有効期限が切れる前にトークンが更新されない場合、ログが機能しませんのでご注意ください。
- Maximum bytes フィールドに、オプションで最大ファイルサイズ (バイト数) を入力します。
- Period フィールドに、ログファイルのローテーションの頻度をコントロールするための間隔 (秒単位) を任意で入力します。この値はデフォルトで
3600
秒に設定されています。 - Timestamp format フィールドに、ログファイルのタイムスタンプ形式を任意で入力します。デフォルトは
strftime
互換形式の文字列です。詳細については、ログファイルの書き込み先の変更に関するガイドを参照してください。
- Create a Microsoft Azure Blob Storage endpoint ページの Advanced options リンクをクリックし、必要がある場合はフィールドを変更します (任意)。
- 以下のように、Create a Microsoft Azure Blob Storage endpointページの Advanced options を入力します。
- Path フィールドには、ファイルを保存するバケット内のパスを任意で入力します。パスの末尾にはスラッシュが付きます。このフィールドを空にすると、ファイルはバケットのルートパスに保存されます。詳細については、ログファイルの書き込み先の変更に関するガイドを参照してください。
- PGP public key フィールドに、Fastly がディスクに書き込む前にログファイルを暗号化するために使用する PGP 公開鍵を任意で入力します。秘密鍵で復号化することによってのみ、コンテンツを読むことができます。PGP キーは PEM (プライバシー強化メール) 形式でなければなりません。詳細については、ログの暗号化に関するガイドをご覧ください。
- Select a log line format のセクションで、ログメッセージのログライン形式を選択します。詳細については、ログライン形式の変更に関するガイドをご覧ください。
- Compression フィールドに、ログファイルに適用する圧縮形式を任意で選択します。ログ圧縮オプションの変更に関するガイドをご参照ください。
- Create ボタンをクリックすると、新しいログエンドポイントが作成されます。
- Activate ボタンをクリックして設定変更をデプロイします。
注意
Fastly は Azure Blob Storage に継続的にログをストリームしますが、アップロードが完了するまでストレージポータルと API がファイルにアクセスすることはできません。
推奨されるログ形式
ログメッセージは、Azure Blob Storage から処理できる限り、選択した形式で処理することができます。
Azure Data Explorer のデータインジェスト
Azure Data Explorerは、ログとテレメトリーデータのデータ検索サービスです。Data Explorer がデータを正しくインジェストするには、ログをコンマ区切りの値 (CSV) としてフォーマットする必要があります。ログエンドポイントを作成する際、以下の手順に従ってください。
- ログ形式を CSV 文字列 (
${time_start_sec},"${req_http_user_agent}","${log_message}"
) に設定します。この例では、${time_start_sec}
と${req_http_user_agent}
、および${log_message}
は、Compute@Edge サービスのコードで使用される変数のプレースホルダーです。 - Advanced options の Select a log line format 欄で、blank を指定します。
詳細については、ログライン形式の変更に関するガイドをご覧ください。